,証拠書類及び証拠物を提出し,各証拠の取調べの申立てを行うことができます。具体的には,被審人は参考人を質問し(金商法185条),学識経験を有する者に鑑定を命じるよう申立てることができ(金商法185条の4),立入検査を行うことを申立てることができます(金商法185条の5)。「参考人」とは,事件関係者以外で違反被疑事実に関する情報を有している者をいいます。

金融庁「課徴金制度について」
http://www.fsa.go.jp/policy/kachoukin/02.html

第5 課徴金納付命令

1 審判官による決定案作成

審判官は,審判手続を経た後,審判事件についての決定案を作成し内閣総理大臣及び金融庁長官に提出しなければなりません(金商法185条の6,194条の7第1項)。これを受けて,審判官作成の決定案に基づき,内閣総理大臣は,課徴金納付命令等(①課徴金納付命令決定,②違反事実がない旨の決定,③課徴金納付を命じない旨の決定)を決定します。

2 納付義務

 課徴金納付命令を受けた者は,課徴金納付義務を有し(金商法176条3項),決定書の謄本交付から2か月が納付期限となります。納付期限までに納付しない場合,金融庁長官は督促状によって督促しなければならず(金商法185条の14),督促があると,納付期限の翌日から課徴金の年14.5%の割合で延滞金が発生することになります。

3 課徴金納付命令決定の不服

 金融庁長官が被審人に対し課徴金納付を命ずる決定をした場合,被審人は,当該決定に不服があるとき,その決定書の送達を受けた日の翌日から30日以内に裁判所に取消しの訴えを提起することができます(金商法185条の18第1項)。

4 課徴金納付命令の執行

 課徴金納付命令には執行力のある債務名義と同一の効力を有します。そのため,課徴金納付命令の執行は,民事執行法その他強制執行の手続きに関する法令の規定に従って行われます(金商法185条の15第1項,2項)。

・参考文献

木目田裕「インサイダー取引規制の実務」(商事法務,2010)
小谷融「インサイダー取引・相場操縦・虚偽記載規制のすべて」(中央経済社,2009)
清水豊ほか「Q&A情報開示・インサイダー取引規制の実務」(金融財政事情研究会,2009)
白井真ほか「事例詳解インサイダー取引規制」(金融財政事情研究会,2014)
戸嶋浩二・久保田修平[編著]「事例でわかるインサイダー取引」(商事法務,2013)
服部秀一「新版インサイダー取引規制のすべて」(金融財政事情研究会,2014)
我妻榮ほか「コンメンタール民法」(日本評論社,,,2011)

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